崇高なる道へ②/西岡利晃

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リング誌で特集されるこの記事は「BEST I FACED」というものです。過去のスーパースターというよりは、その陰に隠れ、殿堂入りクラスの王者ではないものの、記者の心を奪った選手を特集しています。西岡は海の向こうの識者を感動させたボクサーなのでしょう。

決して諦めず努力を続け、5度目の世界挑戦で報われた西岡。

1976年7月25日、兵庫県加古川市で生まれた西岡は様々なスポーツを経て11歳の時に父の勧めでボクシングに出会いましたが、最初は興味がありませんでした。やってみると魅了されました。地元ではボクシングは盛んではありませんでしたが、地元にこだわり近所のジムを選びました。

西岡
「レナードやハーンズ、ハグラー、本場ラスベガスの試合に魅了されました。」

高校時代に西岡はフィリピンのセブ島にあるALAジムを訪れ、6週間トレーニングし週に一度試合をしました。時には強い相手もいましたが全ての試合に勝ちました。それがいい経験、転機になったことは間違いありません。

西岡の学校にはアマチュアがなく、キャリアは限られたものでアマチュア戦績は10勝2敗と少ないものでした。大阪や名古屋に出向き、サウスポーは貴重なのでとスパーリングパートナーとして意義のある時間を過ごしました。薬師寺保栄が辺丁一からWBC王座を奪った試合では西岡のサウスポースタイルが一役買いました。

西岡
「私にとっては非常に大きな経験でした。世界に挑むボクサーの生の力を感じ、私も肩を並べることができると自信を深めました。アマチュアの経験がほとんどなかった私には世界王者、日本王者らとのスパーリングは素晴らしい経験でした。」

1994年にプロになった西岡は2度敗れるも改善し続け、1998年には日本バンタム級王者になりました。

その後の激動のキャリアは過去記事の通り

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世界王者として7度の防衛に成功しました。
印象的な試合としては

ヘナロ・ガルシア
ジョニー・ゴンザレス
レンドール・ムンロー
ラファエル・マルケス

戦などがあります。

怪我でブランクを作り王座を返上後、2013年にはWBOベルトをかけて、ノニト・ドネアと戦いますが、ピークを過ぎた西岡は9ラウンドKO負けをし引退を決意しました。

メキシコやラスベガスで世界王座を防衛した初の日本人
当時最強と言われたドネアとの戦いなど、誇り高き王者でした。

西岡
「一番の思い出はラスベガスのメインイベントでラファエル・マルケスと戦ったことです。ラスベガスは世界中のボクサーの聖地です。まだ若かった頃、ラスベガスのビッグマッチに魅了されました。自分がそこに立って勝利した瞬間を最も誇りにおもいます。」

現在41歳の西岡には妻と娘がいて、生まれ故郷で暮らしています。ボクシング番組の解説やジム経営をしています。

ベストファイト ラファエル・マルケス

「マルケスはファイターの印象がありますが、ジャブが巧くて距離支配が巧みでした。」

ベストディフェンス ノニト・ドネア

「フットワークや反応速度、左右の動き、素晴らしい相手でした。」

ハンドスピード ノニト・ドネア

「ドネアのコンビネーションには横の動きがありとても速かったです。見えないところから打たれました。」

フットワーク ノニト・ドネア

「最小限の動きで守って攻撃にシフトできる。非常に滑らかで流れるような足使いでした。」

屈強 ヘナロ・ガルシア

「たくさんのベストパンチを当てても、プレスをかけて前進してきました。私が足を止めていたら、倒されていたかもしれません。」

スマート ジョニー・ゴンザレス

「自分の長所と短所をよくわかっているボクサーでした。遠距離の強いジャブでコントロールし、得意の左フックとボディを打ってきます。相手が効いたとおもったらすぐに襲い掛かってきます。しかし彼はアゴが弱いと知っていたのでしょう。序盤は特に慎重で、相手が届かない距離で試合をします。彼のパンチは強力でした。彼の攻撃パターンがはまれば速攻で勝利するでしょう。いいかえれば彼は完全に自分自身をわかっているボクサーでした。」

ベストチン ナパーポン

「何度強打を当てても、驚異的な打たれ強さとタフネスで前に出てきて重いパンチを振ってきました。」

ベストパンチャー ノニト・ドネア

「速くて切れる多彩なパンチを持っていました。柔軟で見えないところからパンチが出てくる。」

テクニシャン ラファエル・マルケス

「キャリア豊富なマルケスはどんな距離でもパンチが自在でした。ロングレンジからの右と左フックも伸びてきて相手に届きます。メキシカン特有のものです。ショートレンジでも上手く腕を折りたたんでアッパーやボディ、フックが正確でした。あらゆるパンチが巧くて、彼がバックステップしていても私は注意深く戦う必要がありました。」

総合 ノニト・ドネア

「ボクシングではスピードが非常に重要な要素です。私と戦った時のドネアはフットワークもパンチも非常に速かった。単純に見た目が速いボクサーが本当のスピードスターだとは思いません。本当のスピードスターは最小限の動きで次のアクションに移ることができる選手であり、それが、私が戦った時のドネアでした。あの日のドネアの全ての動きがスピーディーで素晴らしかったです。」

フィリピン修行してた事
薬師寺の戴冠に一役買った事

など知らない話もありました。

その他は既知感のあるものでしたが、あの日のドネアを強調するあたり意地やプライドも感じさせます。ピーク時の西岡ならもっとやれた?いや、あれが現実?

崇高なる道の終着点は、若きスピードスターのレジェンドに完敗でした。しかし、そこに至る道のり、到達点、ボクサーらしき最期・・・

負けた悔しさ以上に、達成感、充実感を感じさせてもらったから、彼が一番なのです。

墓場まで持っていく試合

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プクー

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「ボクシング動画配信局」https://box-p4p.comの管理人です。 ボクシングで人生を学びました。

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