スポットライトが眩しくて/(パンチート)フランシスコ・ボハド

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あまりにも眩しい才能だった。誰もが未来のスターを信じて疑わなかった。同時期にプロになったミゲル・コットよりも人気も期待値も高かった。その輝きはどこか今のテオフィモ・ロペスやライアン・ガルシアを連想させるが熱狂とボクシングのインパクトはそれ以上だった。

プロの世界で大活躍しそうな多くのアマチュアエリートが次々に出てくる。何人かのアマチュアにとって、そのスポットライトは眩しすぎ、プレッシャーに押しつぶされていく。これはそんなエリートの一人、フランシスコ(パンチート)ボハドのケースだ。

ボハドは2000年代初頭に世界を騒がせたオールアクションスタイルのボクサーパンチャーだ。メキシコのハリスコ州グアダラハラで生まれ、オーストラリアのシドニーオリンピックでメキシコを代表した。アマチュアでは168勝15敗という記録を残した。

2001年プロに転向しベテランマネージャー、シェリー・フィンケルと契約した。フィンケルはメイン・イベンツとショータイムにパイプがある大物だった。デビュー1年目で9戦全勝全KOという快進撃。同じくトップアマチュアの仲間であったファン・ディアスとロッキー・ファレスと共に華々しくTVを彩った。

それはボハドが最初に全国レベルに露出する9番目の試合だった。2001年3月11日、コンスタンチン・ジューVSザブ・ジュダーの前座でベテランのマウロ・ルセロと対戦、初回ノックアウトで決めたボハドはファンの期待に見事に応えた。ボハドはボクシング界で最上級のプロスペクトとして、ネクストデラホーヤと呼ばれた。

しかし現実は甘くはなかった。

2002年はボハドにとって大きな試練となった。ジャーニーマンのカルロス・ルビオに対しユナニマス判定でまさかの敗北。4週間で25ポンドの減量がコンディションを狂わせた。しかし敗北はボハドにとっては学習曲線であり、その後は3連勝、しかしパフォーマンスは鈍く、情熱と意欲に欠けたような内容だった。何か変化が必要だった。

2003年半ば、シェーン・モズリーに敗れたオスカー・デラホーヤのキャリアを復活させた伝説のトレーナー、フロイド・メイウェザーシニアに師事を仰いだボハドは見違えるようなパフォーマンスをみせ、過去に負けたカルロス・ルビオにも雪辱した。2004年も2連勝、ボハドの世界戦のチャンスは目前に迫ったが、再び障害に直面した。

元世界王者のジェシー・ジェイムス・レイハと対戦、2回ボハドはレイハからダウンを奪い幸先のいいスタートをきるもレイハのキャリアと身のこなしが徐々に試合を支配、10回判定で2度目の挫折を経験することになった。

傷心のボハドはその後3年間表舞台から消え、忘れられたプロスペクトへと堕ちた。

2007年、ゴールデンボーイプロモーションと契約したボハドはフロイド・メイウェザーとの対決を控えるオスカー・デラホーヤと共にキャンプをはってトレーニングに励んだ。復帰2連勝をあげるも、またしても元世界王者のスティーブ・フォーブスにスプリットで敗れそれが最後の戦いとなった。まだ24歳だった。

https://www.youtube.com/watch?v=XW6ef24lxRU

2011年にはアメリカとメキシコを結ぶ道路でスピード違反で警察とカーチェイスを演じ逮捕、拘留、2013年にはトレーニングを再開しカムバックするという噂があったがその話も消えた。

通算戦績18勝12KO3敗

フランシスコ・ボハドに別の物語はなかったのだろうか、彼には期待、プレッシャーがかかりすぎていたのだろうか?リング外の問題がボクシングに影響を与えはしなかったか?30歳(記事当時、現在は36歳)まだやり残したことがあるのではないだろうか?(もう無理だろう)

エキサイトマッチ史上、最も熱きプロスペクトだったのではないかな。爆発的に速くてエキサイティングなファイトぶりは派手で、何も注文がないようにみえた。

しかし、観る人がみればわかる、若さと勢い、才能だけでは図れない。新人なのにいぶし銀のミゲル・コットの方が完成度の高いファイターだとジョー小泉氏も浜田剛氏も言っていたような気がする。私もコットが好みであった。

ボハドは、ネクストデラホーヤ、カネロより人気の高いプロスペクトだったように記憶しているが、圧倒的にみえるそのファイトも、ベテラン、元世界王者の前では勢いが通じずことごとく跳ね返された。

見た目だけではわからない。ボクシングとはなんと奥が深いものなのか・・・
あれだけのプロスペクトのキャリアが突然終了するのもボクシングならではだ。

恐らくリング外の問題がボクシングに影響を与えたのではないか。育ち盛りで体重も増える年頃、多くの注目と誘惑を断ち切れる若者はめったにいない。

歴史は繰り返すのだとしたら、テオフィモ・ロペスやゲルボンタ・デービス、ライアン・ガルシアにもこういう罠がないとは限らない。

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5 COMMENTS

アバターはなそら

管理人様。いつもながら面白い記事に感謝です。
ボハド、懐かしいですね。
エキサイトマッチで、香川照之さんが来年期待するボクサーとして一押ししていたと記憶しています。
バルガスのような雰囲気があり、動きはバルガスよりきびきびしていて、どう低く見積もっても世界チャンピオンにはなると思ったのですが、いつの間にか消えていたという感じ。
こういう経緯だったんですね。

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アバターノブ

テオフィモの試合を観てるとボハドを思い出します。何かひとつ突き抜けた物が無い感じがして、今ひとつトキメキません。こんな気持ちを吹っ飛ばすファイトを期待します。

返信する
アバター匿名

ボクシングを観始めたのが、ボハドが出てきた頃でした。
うろ覚えですが、たしかジェフ・レイシーと一緒に紹介されていましたね。
自分にとっては初めてリアルタイムで見た「本場プロスペクトの挫折」だったので、色々と思い出深い選手です。

>あれだけのプロスペクトのキャリアが突然終了するのもボクシングならではだ。

こういう厳しさを実感して以降、贔屓選手の試合を観る際の緊張感が格段に上がり、より一層ボクシング観戦にのめり込んでいきました。

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アバターハトポッポ

ハイライト見てもメチャ強いんだけど、コンディションにムラがあったのかなぁ、テオフィモよりインパクトある。

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