フィリピーノ・フラッシュバック/ノニト・ドネア
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バンタムのレジェンドを連載したが、私の観戦歴だとマイ「黄金のバンタム」はノニト・ドネアになるのだが、そんなに長い在位ではなかった。あっという間に階級を駆け抜けていった。しかし防衛記録ではなくその圧倒感、美しさ、突出度ではやはりドネアだ。そんなレジェンドが今年11月にアンダードッグとして日本にやって来る。「黄金のバンタム」として。

ノニト・ドネアは既に殿堂入りの資格を持つ4階級制覇の王者だが、白熱のエリミネーショントーナメントに参戦した。「フィリピーノ・フラッシュ」はファイターとしてボクシングを愛し、さらなる刺激を求めて新しい挑戦を求めた。今さらドネアはレガシーを構築する必要はない。もう既に確立し、その評価は揺るぎないというのに。

ドネア
「私はバンタム級が最適だとおもいます。スピードが戻りました。自信があります。このクラスに戻る決断をしてよかった。実際、バンタム級に落すのは難しいことではありません。

求められているのはファイトです。私ができる最善の事はベストと戦うことであり、人々はそれを井上尚弥だと言う。私がスーパーバンタム級やフェザー級で負けた過去をみて人々は判断、議論します。この戦いは究極であり、実現する必要がありました。井上尚弥でなければならず、私でなければならないのです。心から嬉しい、待ち望んだ試合です。目の前にいる井上尚弥はトーナメントの他のどんな男よりはるかに危険だからです。

自分がアンダードッグである事は問題ではありません。他人に証明する事はありません。それは私が学んだことです。どんなに勝ち続けても、打ち負かそうとするファイターが常に現れます。私の前に立ちはだかる井上尚弥は巨大な難関です。だからこそ私はより一層厳しいトレーニングができます。

何が起きようと、勝利もリングにアゴを叩きつけて敗れ去ることもリングの中に存在します。それだけが真実です。それがこのトーナメント全体の視覚化です。どんな意見も歓迎します。私はとにかく全力でベストを尽くします。」

過去のドネアの試合について振り返ってもらった。

VSビック・ダルチニアン

2007年 7月7日/ハーバーヤードアリーナ、コネチカット州ブリッジポート•タイトル:IBFフライ級
結果:5回TKO

ダルチニアンはヘルメットを持って記者会見に現れた。「このヘルメットを被って来いよ、それでもお前はノックアウトされるだろう」と言った。私はその時点でスイッチを入れた。ただただこの男を傷つけたかった。リング上で考えていたのはダルチニアンを傷つけることだけです。ダウンを奪った瞬間、私はもっと彼を殴り、痛めつけたかった。だから起き上がって再開して欲しかった。けれど彼はもうフラフラでストップされた。その時私は解放された。狂ったように走り回った。「なんてこった、世界王者になっちゃったぞ」と。

VSモルティ・ムザラネ

2008年11月1日/マンダレーベイイベントセンター、ラスベガス•タイトル:IBFフライ級
結果:6回TKO(負傷TKO)

モルティはガンガン前に出てくるファイターだったから作戦はとにかくアウトボクシングでした。しかし試合の週に私は喘息の発作に見舞われ、試合は中止になりそうでした。悪い喘息で呼吸器も役に立たなかった。医者は試合の中止を進めましたがやりました。前に出るモルティにジャブやカウンターを当てていましたが肺が苦しくて大変でした。モルティがカットし試合はストップされました。運に恵まれました。再戦のチャンスを与えようとしましたが、階級アップすることに決めました。

VSフェルナンド・モンティエル

2011年2月19日/マンダレーベイイベントセンター、ラスベガス•タイトル:WBC / WBOバンタム級
結果:2回TKO

https://www.youtube.com/watch?v=9ysrmD1uyQU

この試合に備え、本当に懸命にトレーニングしました。私のプロキャリアで最も神経を使った試合でした。モンティエルは強くて、何でも起こりえるとわかっていました。しかし試合の週に私は学習し何かに気づいたのです。モンティエルのスタイルに何かを見出したのです。信じられないかもしれませんが私は仲間に「2回でモンティエルを倒す」と予言しました。彼「は?」という反応でしたが、「モンティエルの距離を把握した瞬間にビッグパンチを当てる、なぜならモンティエルは頭をそこに置いたまま動かさないから」と言いました。結果、彼は数千ドル賭けで儲けました。そんな予言をしたのはあの試合がはじめてです。なぜか自信があったのです。

VSオマル・ナルバエス

2011年10月22日/ニューヨーク、マディソンスクエアガーデンの劇場•タイトル:WBC / WBOバンタム級
結果:ユナニマス判定

なかなかパンチを当てることができませんでしたが、試合に勝っていることはわかっていました。ノックアウトにそれほどこだわりませんでした。ナルバエスとの間に敵意があればもっと倒しにいっていたでしょう。しかしイージーファイトでした。ナルバエスは当時無敗で、その記録こそ彼が大事にしているものでした。ナルバエス自身の問題で、負けないために彼が何かしてくるのをずっと待っていました。試合中、彼は自分が負けているのがわかっていました。しかし彼は私に倒されない事を目標にしていました。スペイン語でそう言っていました。

VSウィルフレド・バスケスJr

2012年2月4日/アラモドーム、サンアントニオ、テキサス•タイトル:WBOジュニアフェザー級
結果:スプリット判定

記者会見で彼は私を小突いてきたのでやり返しました。その瞬間にぶっ倒してやろうとおもいました。私のキャリアで記者会見で乱闘騒ぎがあったのはこの瞬間だけです。私はボクサーだから自分からそんな事はしないけど、相手がこっちの領域に踏み込んできたなら別の話です。殴るかもしれないし蹴りをいれるかもしれません(笑)私はいじめられっ子のお人好しじゃないんです。あの試合はクロスファイトではありません。多くのラウンドを支配しました。だから採点が割れて驚きました。

VS西岡利晃

2012年10月13日/ホームデポセンター、カーソン、カリフォルニア•タイトル:リングおよびWBOジュニアフェザー級
結果:9回TKO

西岡をリスペクトしていました。偉大なファイターでノックアウトパワーがありました。この試合に備えて懸命にトレーニングし準備は最高でした。西岡が当時のスーパーバンタムで最強だとおもっていましたので本当に一生懸命練習しました。実はその頃、引退も考えていました。ジェフリー・マセブラ戦後ジムに行くのが面倒になりフラフラしていました。なので、現役を続けるのであれば、西岡のように集中できる相手が必要だったのです。西岡を研究して導き出したゲームプランが全て機能しました。西岡は私の左フックを警戒していましたが、私は右ストレートとアッパーで彼を攻略しました。

VSセサール・ファレス

2015年12月11日/コリセオロベルトクレメンテ、サンファン、プエルトリコ•タイトル:空位のWBOジュニアフェザー級
結果:ユナニマス判定

https://www.youtube.com/watch?v=XLVDNOH1VU4

多くの感情渦巻く試合になりました。私は4回に彼から2度ダウンを奪いましたが5回か6回に足首をひねってしまいました。ひどく痛みました。ファレスは本当にタフでガンガン攻めてきました。8回から10回までは身も心も「もう十分だ棄権しよう、この地獄から解放してくれ」という気持ちにかられていました。でも、それは私らしくない、負けを受け入れてはならないと残り2ラウンドで力を出し切りました。それが私の信仰です。大変厳しい経験でしたが、あの試合は私に必要な光を与えてくれました。なんとか勝利しましたが、本来の自分ならもっとうまくできたことはわかっています。

なぜかファレス戦までで終わっているが、これ以降、負けた試合の振り返りはないだろう。

まず頭がいい。これを読むとドネアは怒らせるより、紳士的にやった方がよさそうで、井上尚弥ならリスペクトを込めたそういうムードになるだろう。

西岡戦はまさにドネアのおもうつぼだったのだな。

肉体、強さのピークは今は断然井上にあるとおもっているが、これらドネアの経験と知恵は本当に偉大な遺産だ。

モンティエル戦時は神がかりだ。

It had to be him and it had to be me.
井上尚弥でなければならず、私でなければならないのです

粋なことを言う。

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