アメリカ 秘密・孤独な使徒/S.O.G.(神の子)アンドレ・ウォードVol.1 S.O.G.(神の子)と呼ばれるアンドレ・ウォードは単純にボクシングが巧みで、決して負けないからそう呼ばれているくらいしか考えていなかったが、リングの哲学者ともいうべき、とても奥が深く難解な人間なのであった。頭が良くないとボクシングは出来ない、苦悩し克服していく力が必要だ。... プクー
アメリカ 砂漠の夢想家/Desert Storm(砂嵐)ティモシー・ブラッドリー 現役時代はボディビルダーのように筋肉質でありながら非力、けれど嵐のような躍動感とスピード、攻守の巧みさで極めて負けにくいトップファイターだったブラッドリー。どうやら彼は長い事ヴィーガン(菜食主義)であり、ドーピング行為の一掃を目指しオリンピック水準のドーピング検査を自主的に受けているほどの厳格者にして、表現豊かなインテ... プクー
アメリカ ミスターオネスティ/(チカニート)ヘナロ・エルナンデス ヘナロ・エルナンデスは次元の違う強さで左手一本で日本期待のホープを涼しく潰していったが、その絶望的までに大きく強力なファイトに反しとても優しい紳士だった。... プクー
アメリカ トレインスポッティング/ロッキー・ロックリッジ クラックブーム(Crack epidemic)とは、アメリカでクラック・コカインの使用率が急激に高まった1984年~1990年までの6年間のことらしい。当然ボクシング界にも蔓延していたのだろう、それは今も形を変えて蔓延しているに違いない。 ファッション的に憧れ手を出す若者は世界中に多く、こうしたブームに浮かれた果ての当... プクー
アメリカ 名手、名将にあらず/ロニー・シールズ 選手に混じってトレーナーが何人か入っているレジェンドシリーズ、トレーナーの話ほどなるほどなとおもう言葉はありません。日本で浜田剛史と戦ったロニー・シールズはあれがアメリカなら勝ちだったかもしれない。しかし退屈なファイトだった。あれが強打の浜田に対抗する自分のベストだったのだ。 天才的なアスリートは、その余りある才能ゆえ... プクー
アメリカ 雲のうしろには太陽の光/(ウィンキー)ロナルド・ライト Vol.2 ロナルド・ライトは生涯地味、玄人受けの選手だったが、キャリア晩年以外にほとんど負けがない。敗北も際どいものが多くKO負けは一度もない。特別幼い時期からボクシングを始めたわけではなさそうなのに、あの匠の技はどこから手に入れたのだろう。... プクー
アメリカ 雲のうしろには太陽の光/(ウィンキー)ロナルド・ライト Vol.1 自分がボクシングをやるならこの男に学びたい。かつてこう書いた心の巨匠がロナルド(ウィンキー)ライトだ。彼が無残に打たれ、倒れるのをみた事がない。ディフェンスの達人として不人気で地味な立場に甘んじていたが、私には決して眠たいファイトスタイルではなかった。多くのレジェンドを紹介すると悲劇になることも多かったこのシリーズ、ロ... プクー
アメリカ 5月7日/(褐色のアルゲリョ)ディエゴ・コラレス ディエゴ・コラレスは長身で細身の身体から繰り出す強烈なパンチと、常にKOを狙う攻撃的なファイト・スタイルでとても人気があった。信じられないほど勇敢で接近戦での打ち合いを好んだ。... プクー
アメリカ 未完のストーリー/(The Viper毒ヘビ)バーノン・フォレスト 強盗に命を奪われ、突然この世を去ったバーノン・フォレスト。怪我や年齢など、フォレストのキャリアは晩年を迎えていたとおもうが、間違いなく、過小評価された普通ではない本格的な世界王者であり、もっと多くのビッグマッチ、ライバルとの試合が観たかった未完の大器だった。... プクー
アメリカ ザ・ピープルズ・チャンピオン/モハメド・アリ/カシアス・マーセラス・クレイ・ジュニア(Cassius Marcellus Clay Jr.) みんなタフだった。簡単な試合は一度もなかった。 これからもタフな戦いが続くだろう。しかし、私がボクシングを引退したときにも、最もタフな戦いが待っている。それは、私の国民を助けるために戦い続けることだ。... プクー
アメリカ デビル/(死刑執行人/エイリアン)バーナード・ホプキンス 最初にお断りしておくと、これはバーナード・ハンフリー・ホプキンス・ジュニアに関する超入門編です。私にとって彼が最も偉大にして難解なファイターであり、今後も歴史や試合を振り返りながら何度も見直さなければ理解できない男。恐らく常人とは違う何かを知っている、手に入れた人間。... プクー
アメリカ すべてを忘れたそのあとで/Terrible(恐怖の男)テリー・ノリス Vol.2 ノリスのキャリアを賞賛する内容ではなく、リタイア後の状況と脳医学的な話になってしまいましたが、とても有意義な内容だとおもいます。事故、障害を克服することはきっとできるはずだ。... プクー
アメリカ すべてを忘れたそのあとで/Terrible(恐怖の男)テリー・ノリス Vol.1 中量級で一番速かった、全盛期には手がつけられなかったのがTerrible(恐怖の男)テリー・ノリスではないだろうか。本気を出せばだれにも負けない、人間を超えた領域のスピード、さらにはパンチ力、キレ、全てを備えていた。ただひとつだけ、不用意に打たれ脆く、打たれ過ぎた。... プクー
アメリカ 第二の人生2つの天職/ロベルト・ガルシア レジェンドネタはいつもある訳じゃなく、誰かを書いて誰かを想い出す。調べていい記事みつけたら書くという感じだが、また見つけちゃいました。今回は数奇な運命で日本でデビューし何度か試合をした縁があるのに、井上尚弥は「大物を誰も倒してない!」「ノニトのフックが炸裂すれば、イノウエはアウトだ」とドネアの肩を持つロベルト・ガルシア... プクー
アメリカ 失われた2秒の影/(TNT=爆弾)メルドリック・テーラー Vol.3 リチャード・スティールのあのストップは正しかったのだろうか?テーラーにもう余力はなかった。しかし本能的にすぐに立ち上がった。あと30秒残っていれば完全に破壊されていただろう。 しかし残りは2秒だった。 再開してもチャベスはテーラーに触れる事もできずにラストの鐘が鳴っていたはずだ。... プクー
アメリカ 失われた2秒の影/(TNT=爆弾)メルドリック・テーラー Vol.2 サンダーVSライトニング、フィクション以上に劇的な試合となったこの名勝負、オールドファンには永遠のマスタークラシックだ。チャベスの連勝記録が遂にストップする瞬間。憶えている、決して忘れない。なぜあのような結末となったのか、そこには様々な伏線があった。... プクー
アメリカ 失われた2秒の影/(TNT=爆弾)メルドリック・テーラー Vol.1 メルドリック・テーラー、残酷すぎる人生のハイライトを境にその輝きは重く冷たい闇に覆われた。「スーパーソニック」と言われた超速の天才の軌跡... プクー
アメリカ 台風小僧一過/(Ferocious=El Feroz=狂暴)フェルナンド・バルガス 意図せず悪童シリーズになってしまったが、フランシスコ・ボハドと言わずとも、もっとわかりやすい例にフェルナンド・バルガスがいた。テオフィモ・ロペスもライアン・ガルシアも、まさかボハドのようにはなりたくなかろう。世界王者になったとしても、流星の如く太く短いキャリアを築いたバルガスは先を急ぎ過ぎた。 バルガスになるのもデラホ... プクー