最期のレクイエム/(グアンタナモのサイクロン)ユリオルキス・ガンボア Vol.2
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もうすぐギジェルモ・リゴンドーとユリオルキス・ガンボアという2人の圧倒的に強く個性的なキューバボクサーのキャリアも終わるだろう。五輪2冠のロベイシ・ラミレスは契約だけが目当てだったかのような無気力な試合でデビュー戦で負けた。カストロがこの世を去ってもキューバのボクサーの状況は変わらないようだが誰かが彼らに続いて欲しいと願う。

ガンボア自身もボクシング人生最後の大勝負を迎えている。

プロモーター

米国でプロになったガンボアは最初にボブ・アラムのトップランクと契約した。しかし、マッチメイクに恵まれないと不満を抱き関係が悪化した。

2012年4月のブラントン・リオス戦の記者会見にガンボアが欠席したことで騒ぎは大きくなった。ガンボアはフロイド・メイウェザーに目をつけられ、TMTに契約を変えた。TMTはメイウェザーとラッパーのカーティス(50セント)ジャクソンの共同プロモーションだ。

しかしメイウェザーが脱落し、ガンボアは50セント専属のファイターになったが、2014年にテレンス・クロフォードとの戦いに敗れて契約は解消された。

https://www.youtube.com/watch?v=esM-yLi-4TI

それからガンボアのキャリアは停滞し、その後2年で2度戦ったが2016年は一試合も出来なかった。

2016年、ガンボアはスペインのプロモーター、BBプロモーションズと契約したが、一試合も実現しなかった。2017年1月、今度はゴールデン・ボーイプロモーションズと契約し、3月には久しぶりにレネ・アルバラードとの試合が実現した。

数々の契約問題に加えて、ガンボアに2012年当時パフォーマンス向上薬を使用した疑惑が浮上した。ニュースによると、ブランドン・リオス戦に備え薬を使用した証拠が提出されたという。しかし疑惑にとどまり、ガンボアは起訴されなかったが、同時期に2つの家庭内暴力容疑で起訴された。

2団体の世界王者となり、一試合6ケタの財布(数十万ドル)まで上昇したガンボアの直近の試合(カスティリャノス戦)のファイトマネーは20000ドルだった。

夢の終わり

ゴールデン・ボーイプロモーションズはガンボアの進退についてコメントをしていない。カスティリャノスに負けた彼に今後も価値あるマッチメイクを組むかもわからない。

試合枯れのガンボアは益々売り出しにくい商品になっていく。未だにゴールデン・ボーイプロモーションズとの契約は続いているものの、彼は看板スターの「カネロ」とは階級が違い、偉大な父親を持つフリオ・セサール・チャベスJrのような話題性もない。

35歳になった今(現在37歳)ガンボアが新たに世界挑戦出来る可能性は限りなく低い。

ガンボアのカスティリャノス戦の棄権に、ボクシングを超越した敗北をみた想いがする。時間の経過により、ユリオルキス・ガンボアから高慢な態度が消えた。キューバからの移民はアメリカンドリームを追いかけるのにもう疲れてしまったようだった。

恐らくガンボアを知る最良の記事ではないとおもいますが、たまたま見かけたので紹介しました。記事はカスティリャノス戦の敗北と悲観で終わっているが、ガンボアのアメリカンドリームはまだ終わらない。

その後3連勝と奮起するも、どれも往年の輝きとはほど遠い苦しい試合ばかりだった。しかし直近の試合で、元王者のローマン・マルティネスを2回で鮮やかにノックアウトし、リングで歓喜の涙を流した。それだけ苦しい綱渡りの現役生活なのだ。ガンボアにとって次の敗北は終わりを意味する。

https://www.youtube.com/watch?v=ZNt8ETfDWWM

そしてまだ正式に発表はされていないが、急上昇中のゲルボンタ・デービスの次の対戦相手の候補に躍り出た。全盛期の印象がまだ残るガンボアは一定数の集客が見込め、ワシル・ロマチェンコなどより美味しいビッグネームなのだそうだ。

その後デービスはライト級に階級を上げ王座を返上したが、ガンボアとの対戦計画は据え置きだ。

少しでも過去のビッグネームと、少しでも重い体重でというメイウェザープロモーション(デービス)の姑息さすら感じる流れだがガンボアはずっとデービスとの対戦を訴えていた。話にならないとおもわれる時期もあった。

https://www.youtube.com/watch?v=HXdWbw6Pdas

ローマン・マルティネス戦はマルティネス自身の劣化が目立っただけで、ガンボアが完全に復調したとは言えない試合だったがそれでも往年の輝き、ガンボアらしさが垣間見れた。記者の憂いに背いて最近復活の兆しをみせている。

キューバからの移民のアメリカン・ドリーム、最期のレクイエムを聞かせて欲しい。記事のタイトルが「ユリオルキスガンボア:アメリカンドリームへのレクイエム」だったので使用したが、今のガンボアに悲観はしていない。

彼ら亡命者は祖国を捨てざるをえなかったが、キューバの誇り、アイデンティティは持っている。コスチュームには必ずキューバの国旗をあしらったようなデザインを取り入れる。

グアンタナモのサイクロンが吹き荒れる姿がまた観たい。

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