もうひとりの黄金・ミスターバンタム/オルランド・カニザレス

君はオルランド・カニザレスを知ってるか、これがボクシングへの献身、努力の果ての姿だよ、何かに秀でた才能がなくともここまで強くなれるのだ、というお手本のようなレジェンドです。何が凄いって基礎、基本なんだ。

https://www.youtube.com/watch?v=3ogsB0zxKDI

キャリアを振り返ると、オルランド・カニザレスは傑出したパンチャー、優れたアウトボクサー、ベストスキルを持つ男ではなかったが、優れた献身と総合力で1980年代から90年代にかけて世界最高峰のバンタム級の地位を築いた。

カニザレスは全国的なタイトルを獲得したことはなかったが108勝12敗というアマチュアキャリアを持ち、1984年にプロに転向、2年間はフライ級で活動していた。五輪金メダリストのポール・ゴンザレスを3回にダウンさせたにも関わらず、判定で敗れ無敗記録を失った。

数年後、カニザレスはバンタム級まで階級を上げて勝ち続け、ケルビン・シーブルックスを破りIBF王者に輝き、兄弟のギャビーの足跡をたどることになった。その後6年に渡る長き統治で1試合のノーコンテストを含む16度の防衛に成功。アメリカだけでなくフランスや南アフリカなど海外でも戦った。

https://www.youtube.com/watch?v=xF5-a1ysnyc

既に証明するものがなくなったカニザレスはタイトルを返上し1階級上げてウィルフレド・バスケスに挑むも、僅差の判定で敗れた。

https://www.youtube.com/watch?v=C4c_tmPVidk

その後も5年ほどファイトを続けたが、彼がバンタム級で作り出した魔法はスーパーバンタム級にはなかった。1993年には元WBAバンタム級王者のジュニア・ジョーンズにSDで敗北。ジョーンズはその後マルコ・アントニオ・バレラに勝利する。

https://www.youtube.com/watch?v=_WxgGTM0fyA

(この頃のマイケル・バッファはキレキレですね、リングアナのコールもスピーディー。)

元々バンタム級の王者時代にカニザレスはジョーンズと戦うことを望んでいたがそれが実現することはなかった。

カニザレス
「結局ジョーンズと戦うことはできたけど、もっと早く戦いたかった。バンタム級ではなくスーパーバンタム級だった。フィリピンのルイシト・エスピノサとの対戦もやりたくて実現できなかった試合です。」

2階級制覇の野心は年齢に勝てず、1999年、将来のフェザー級王者となるフランキー・トレドに敗れると34歳で引退を決意した。

通算戦績50勝37KO5敗1分

カニザレス
「初めてタイトルを獲得した時や防衛記録を作った時、それら全てが素晴らしい想い出です。階級を上げてウィルフレド・バスケスにスプリットで負けた試合が今でも悔やまれます。あの結果が違っていればと。」

カニザレスは誇りを胸に故郷のラレドで暮らし続けている。

カニザレス
「ボクシングは私の人生です。今は子供にボクシングを教えています。」

ライバルについて

ベストスキル ジュニア・ジョーンズ

背が高く、強く、優れたボクサーでした。パンチも足も速くてクレバーでした。ウィルフレド・バスケスもまたクレバーなファイターでパンチが強くて過酷な相手でした。

ベストジャブ ジュニア・ジョーンズ

彼がベストです。本当に速くて強いジャブだった。

ベストディフェンス ウィルフレド・バスケス

彼はクレバーでディフェンスも上手かったです。

ベストチン フランシスコ・アルバレス

ベストパンチを何度も当てた。倒れるだろうとおもったが彼は決して倒れなかった。

ベストパンチャー ウィルフレド・バスケス

ウィルフレド・バスケスです。スーパーバンタム級だったけど全ての対戦者の中で最強のパンチだった。アルマンド・ベラスコ戦、アロンゾ・ゴンザレス戦でダウンしたけど負けることはなかった。

ハンドスピード ジュニア・ジョーンズ

背が高く、距離が遠い。スピードと距離に苦労した。

フットワーク

とても大事な要素だけど私の頭には誰も浮かばないな。

スマート バスケスとジョーンズ

難しい質問ですが頭に浮かぶのはこの2人です。

屈強 ウィルフレド・バスケス

やはり階級の違いを感じましたが彼が一番屈強でした。

総合 ウィルフレド・バスケス

一人に選ぶのは難しいです。様々なタフな相手と戦ってきたが頭に浮かぶのはバスケスとジョーンズです。どちらか選べといわれたらバスケスでしょう。パンチが強くて難しい相手だった。ジョーンズも背が高く、速くてパンチも強かったです。

当時、日本はIBFを認可していなかったので、海の向こうの知らない王者であり続けたが、WOWOW等でみたカニザレスは小さいながらも完璧で、当時から日本人が知らないIBFやWBOの方がレベルが高いじゃんとおもったものです。体幹、軸がしっかりしており攻防ともに堅牢でブレず、サイズより大きく偉大にみえました。

当時、鬼塚勝也がカニザレスに憧れてトレーニングに参加したりしていました。
もっと多くの映像や邂逅があれば当時の日本のバンタム級ももっと強くなれていたかもしれません。
一番大事な基礎の強さがカニザレスにはありました。

改めてキャリアを振り返るとカニザレスの敗北にはKO負けはひとつもないばかりかSDとMDだけです。それもバンタムで証明するものがなくなった後のスーパーバンタムでの試合だけ。

謙虚で真面目な性格がインタビューにも出ており、そんな、自分にはちょっと大きすぎるスーパーバンタム級、キャリア後期にSDで敗れた相手を称えていました。

オルランド・カニザレスのバンタム級は完璧です。
身長163センチ、リーチ165センチの男にはスーパーバンタム級は負担が大きすぎただけ

そんな結果を示す戦績になっています。
これもひとつの教訓、現実だろう。

最初に書いてある

キャリアを振り返ると、オルランド・カニザレスは傑出したパンチャー、優れたアウトボクサー、ベストスキルを持つ男ではなかった

これがカニザレスをよく表しています。
カニザレスのボクシングに対する取り組み、献身を見習えば辰吉はもっと飛躍できたというのは私個人の意見です。

努力の結晶の果ての完成度といえる総合力を備えたカニザレスのファイトを忘れない。

https://www.youtube.com/watch?v=3ogsB0zxKDI

本気を出せば頼れる兄/ホセ(ギャビー)カニザレス

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