金メダルは祝福であると同時に呪いでもある.
今、(アメリカン・ドリーム)デビッド・リードは新たな戦いに挑んでいる。
悪魔は男を蝕む。リードの人格と言葉を侵食する。ジェシー・ハートがリードと一緒に暮らしていた時、リードは調子のいい日と悪い日がわかった。調子のいい日はハートと冗談を交わし、悪い日は自分の部屋に閉じこもった。
リード
「私は落ち込んでいました。家族に鬱病、双極性障害の気質があり、毎日が戦争です。」調子のよい日にリードは語った。
リード
「家族の遺伝もあるのでしょう。悪い時でも今は薬を飲んでいるのでそれほどひどくはないけど、病気がどのくらい進んでいるのかはわかりません。私は鬱病で、物事をトレースできなくなりました。」リードは今41歳で9月で42歳になる(5年前)彼のプロとしてのキャリアはわずか4年だ。
たった19試合をして17勝2敗だった。ミッチェルは12戦目でローラン・ブードゥーアニからタイトルを奪って世界王者になったリードをわずか数戦先にフェリックス・トリニダードと戦わせたことを悔やんだ。
ミッチェル
「デビッドには素晴らしいキャリアがありました。さらにすごいのはリードは実質片目で戦っていたのです。彼の左目は皆がおもっているよりはるかに悪かった。だからデビッドのキャリアを急ぎすぎました。私は逃げたのです。トリニダードに負けた時デビッドを引退させてやりたかった。トリニダードとの試合は避けたかった。もっと楽な試合にしておけば・・・デビッドの目はプロになって2年後くらいに悪化してきました。トリニダード戦の初回か2回で目が再び悪化しました。その後、デビッドとは音信普通になってしまったが、2004年に再び電話してきて、ここマルケットに暮らし、何もしていないと聞いた。」
リードの人生に普遍的な光があるとすれば、それはアル・ミッチェルの事だった。古典的な価値観とオールドスクール、ミッチェルはリードが今日生きている唯一の理由なのかもしれない。
ミッチェルはリードの財産を管理し、寄生虫を遠ざけ、最も大事なオリンピックの金メダルを安全に保護している。
ミッチェル
「一緒にいない時はいつもデビッドが心配です。私は今彼のサポートをしているだけですが、本当はデビッドが家族の元に帰り、関係を修復し、心身の健康を取り戻し、信頼する人々と共に暮らすことが目標です。私たちは今それに取り組んでいるのです。」リードの鬱病、双極性障害は、ボクシングによって悪化した可能性もある。
「ボクシングでは脳鬱症、双極性障害のリスクを高める可能性のある脳震盪が繰り返しみられます。」
メリーランド州キャンプスプリングにあるジョイントベースアンドリューメディカルクリニックの臨床心理士マシュー・サックス博士は述べる。
「脳鬱症、双極性障害に遺伝性があるかどうかについてははっきりしていません。出生時に分離された一卵性双生児が全く異なる環境で育った場合にはいくつかの違いがみられます。人生経験がその違いを作ります。
しかし脳の外傷に繰り返しさらされるような環境では慢性的な脳鬱症や双極性障害、脳症などのリスクが高いことはNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)でもNHL(ナショナルホッケーリーグ)でも報告されています。
それらの外傷が長い時間をかけて脳にダメージを及ぼす可能性は否定できません。自殺したプロのアスリートのデータをみてください。遺伝とボクシング、両方にその可能性はあります。」
リード
「5.6年前に比べれば今の方がずっと気分はいいです。残りの人生毎日薬を服用せねばなりませんが覚悟はできています。アルは未だに私の人生の重要な部分です。でも誰にも私は自分の事を話しません。」リードはまたボクシングから自分自身を切り離した。
リード
「金メダルを獲得したことは覚えています。私の身に起きた最高の出来事です。過去に戻ってもまた戦い続けるだろうし同じ事をするとおもいます。」これからもジェシー・ハートはリードにコーナーマンを頼み続けるだろうし、アル・ミッチェルはリードを心配し続けるだろうし、チャック・ムサチオは祈り続けるだろう。
ハート
「コーナーでデビッドをみるまでは終われない。それが私のデビッドに対するゴールなんだ。デビッド・リードは非常に多くの人々にとってあまりにも多くのことを意味する。彼は非常に多くの人を助けてくれたから。今こそ、人々がデビッドの事を考える時が来たのかもしれない。」
離れていく人もいれば自分の損得関係なく見守ってくれる人もいて…。
あたたかい人たちがいてよかった。
いつかハートのコーナーでリードを見ることが出来ればいいですね。
ハート頑張れ!!と思ったのですが今サスペンドされてるのでしょうか!?
対戦相手が誰だろうと、左目が使えなくなった時、やめるべきだった。
その話本当なんでしょうか?試合前後医師によるメディカルチェックや精密検査あるでしょう?。
匿名さん
私へのコメントでしょうか。一応そのつもりで返答しますね。違ってたらスルーして下さい。
記事にはそう書いてありますね。
写真とか映像とかで見ると、左瞼が、閉じてしまうのは本当でしょうね。衝撃で神経がやられたのかなぁ?
当時のドクターチェックの詳細はわかりませんが、視力は少しはあったんでしょうね。
まあ、プロボクシングはショービジネスですから、本人がやれると言えば余程のことがないかぎりやらせるでしょう。
私はボクシングで視界が悪いのはかなりハンデだと思うので、上記の通り、やめるべきだったと思います。
匿名さんへ追記
今日、後楽園ホールで試合があるとして、ある選手が実は昨日の練習で指の骨にヒビが入って痛いとします。
でも、友達や親戚にたくさんチケット買ってもらったし、観に来てくれるから棄権したくない。
痛み止めぶち込んで試合に出る。
これは現在でも可能です。ドクターチェックがあっても平気なフリをしていればいいし、世界レベルでなければドーピング検査もザル。
マジかよolz
対戦時リードは27歳でトリニダードは28歳、階級上の金メダリスト&全勝の王者に挑んだのはティトの方で経験差を指摘するけど強豪との対戦ならティトのが比べられないほど多いんだからその分消耗もしてたという見方もできるだろう、っていうか全盛期のティトに安全に戦えるボクサーなんていただろうか?
今度リナレス33歳と戦うフィリピン人21歳とか逆だとナルバエスと戦った時の尚弥とかの年齢差マッチに比べればましな方だと思う、無敗の世界王者同士の戦いだし。
重厚な記事をありがとうございます。